今朝も当たり前のように作業着を着て庭に出る。
今日は草取りと、冬越しできなかった悲しそうに枯れた枝の剪定をする。
昨日も晴れていたから、地面は乾いていて、私はお尻をついてクラピアの間から生えた草を黙々と抜いていた。
ん?なにか視線を感じる…。
体を起こして森の茂みや、背後を振り返って目をやっても誰もいない。
熊さんに私の気配を知らせるよう、audibleを最大音量でかけながら庭仕事をしているから、きっと大きな動物じゃないだろう。
気のせいかと、またクラピアに目を落とし、audibleから流れてくる陰謀論めいた朗読を聞きながら草を抜く。
なんで今まで見逃したのかわからないほど立派なカラスノエンドウさんが生えていた。
抜こうとしその時、ようやく彼と目があった。

カナヘビさんだった。
さっきから私に視線を向けていた張本人は彼(彼女)だった。
なるべく刺激しないように、離れたところの草を取った。

ちょっと出てきた。可愛い。
またしばらくしたら…

めっちゃ出てきた。
庭師さんが作ってくれた、焼き杉の丸太の間に居を構えて、少し得意げな顔をしてるように見えた。
人を介在すると生態系は壊れる。
人間は地球のガンだ。
なんて言われるけど、人が作ったものに器用に適応しているのを見て、感心する。
ヨモギには、アブラムシが。
アブラムシには、てんとう虫が。

この美しい命の循環を壊したくなくて、立派なヨモギは抜かずにおいた。
私もこの命の循環に加わっていられているだろうか。
私の庭の愛しい動植物さんたちに教えてほしい。