サンクチュアリとは
サンクチュアリ=外敵から守られて安全な地域。
私は移住前から、お庭を作るなら植物や、野生動物さんたちのサンクチュアリにしたいと考えていました。
具体的には無農薬・無化成肥料。持ち出した有機物(草・剪定枝など)は土に還すようにしています。
多様な植物を植えることで、その植物を好む虫さんが集まり、多様性が生まれて、ゆり戻しが起こり、ヒトが手を加えずとも、バランスが整うというのが理想です。
だんだん集まってきた虫さんたち
ハナムグリさん・クモさん

ハナムグリさんは、オルレアさん大好きみたいです。
てんとう虫さん

てんとう虫さんの幼虫が、エリゲロンさんの上で日向ぼっこしていました。
成虫からは想像できない姿をしていますが、幼虫の姿も可愛いです。
アゲハチョウさん

アゲハチョウの幼虫も、成虫からは想像ができませんが、愛しいです。
葉っぱを食べてしまうため、害虫なんて言われていますが、蝶々さんが踊っている素敵な風景を見せてくれるんだから、葉っぱいくらでも食べて欲しい。
蜂さん


うちにはたくさんの種類の蜂さんがいらっしゃいます。
アシナガバチさん、クマバチさん、タイワンタケクマバチさん、ミツバチさん。
ポリネーター(花粉受粉者)の蜂さんが増えると心が躍ります。
アブラムシは絶対に駆除しない
アブラムシを駆除する薬剤って、たっくさん売っていますが、なんてもったいない!!駆除するならうちに来てください!って本気で思ったりしています。
確かに幼苗が弱ったり、病気の媒介の原因になるかもしれませんが、それよりアブラムシを好物とする虫さんがたくさんいて、彼・彼女らも生きてほしい気持ちが強いからです。
アブラムシさんを好む、よく知られているのはてんとう虫さん。幼虫・成虫も1日数十匹〜100匹以上召し上がります。
お庭のアブラムシだけで足りなくないですか??(それも1匹でよ?)
これを見てください。

一度にこれだけのお子さんを産卵するんですよ!少なく見積もっても30匹だとして、1日に3000匹のアブラムシさんが必要なんです!
最近はクモさんがアブラムシさんを食べていて驚きました。
ルリタマアザミさんにアブラムシさんとクモさんが。↓

翌朝見てみると…

翌日にはほとんどアブラムシさんは姿を消していました。
1・2匹残っているのは、全滅させちゃうと自分達が食べるものがなくなってしまうためだと思います。
あれやこれや、ヒトが手を加えるより自然に任せたほうがいいと思いました。
バラの農薬散布から教わること
バラはよく農薬必須と言われます。
バラの育て方の雑誌を手にすると、必ず「害虫の殺し方」が書かれています。
耐性がつくため、成分の違う農薬3種類をローテーションするのが理想とされています。

主に、アブラムシ、チュウレンジハバチ、アザミウマ (スリップス)、バラゾウムシなど、お花が綺麗に咲かない原因となる虫が疎まれています。
せっかく育てたバラさんが美しい姿で咲かなくて悲しい気持ちは十二分に分かります。
かつて私もそうでした。
ベランダガーデニングをしていた頃は、害虫と言われている虫を見つけたら、目の敵のように駆除していました。
朝イチに、殺生をする気分の悪さは、私でなくともすべてのガーデナーも同じように感じていると思います。
私が農薬を辞めたきっかけは、旦那の仕事を手伝っていた頃の出来事でした。
自分の仕事が手一杯のとき、スタッフに一部の仕事をお願いをしたら、おおよそ満足行くような仕事をしてもらえませんでした。一からやり直した方が早いような。

こんなんやったら、私がやればよかった!
そうプリプリしていると、旦那が言いました。



人に物を頼むときは5割やってもらえたら御の字だと思って頼まないとだめだよ
これは、頼む人を信頼していないという意味ではなく、見返りを求めず、相手の状況を尊重し、過度に期待しないことで感謝の心が生まれるということなんだと思います。
それ以来、なんでも5割で上等!と思う習慣が身につきました。
それが自分に対してもです。5割できれば御の字や!って。笑
なので、虫害の悩みは虫さんたちに任せて、バラさんも5割咲いてくれたら御の字!って思うようにして、勇気を出して農薬を止めてみました。
やっぱり農薬散布をしている時と比べて、花の形が変だったり、咲かなかったり、花つきが悪かったですが、私の想像をいい意味で裏切って5割以上は生き生きと咲いてくれました。↓


何より、同じように毎年咲いているはずのバラの表情が嬉しそうにしている気がしました。
マンションの5階だったのに、なぜかベランダにてんとう虫さんやカマキリさんまで来てくれました!
バラに限らず、お庭のお花全部に言えることですが、「5割咲いてくれたら御の字!」それぐらいの心持ちで過ごすと、いろんな虫さんたちが喜ぶし、何より自身の心の安寧を得られるのでおすすめです。


忘れてはいけないこと
ただ、忘れてはいけないことがあります。
プロの園芸業者さんや、農家さん。
お肉やお魚を販売してくれている畜産業のみなさんへの感謝です。
種がないぶどうを食べたいというニーズに応えるため、ジベレリンを使い植物の繁栄を止める、虫が混入していないレタスを食べたいというニーズに応えるために薬剤を散布して幼虫を殺生をする。
誰も好き好んで殺生したい人なんていません。
でも、食べて行くためにはやらなくちゃいけない。それがプロです。
私たちが生き物を殺生するという罪悪感を肩代わりしてくださることに感謝すること。それをありがたくいただく。
これは忘れずにいたいです。
コメント
コメント一覧 (2件)
こんにちは!
マンションに住んでいらしたころから農薬使用をやめていたんですね。素晴らしい!
わたしも農薬そのものは使っていないんですが、アブラムシ避けでお酢を薄めたものを散布しています。
我慢しても虫の種類が増えないんですよね。放っておくとあっという間に全滅してしまう。
ひとえにわたしが野菜ばかり育てているせいだとは思うのですが。
お花が足りないのはわかっているんですけどね。
狭いベランダでバランスよく多品種を育てるのは難しいものです。
いつかうつ畑さんのお庭にお邪魔したいものです。
>やぶさん
こんにちは!コメントありがとうございます。
ベランダで育ててらっしゃるんですね。なかなか、難しいですよね。
しかし、アブラムシさんはどこからともなくやってらっしゃるのが不思議ですよね!
前に、外にいっさい出していない水耕栽培のバジルさんにアブラムシさんがついていて、なんで!?!?!?!ってなりました。笑
うちのお庭、お見せできる状態になってチャンスがあったらいいなぁと思います。コミュ障なのでモジモジしている未来が見えます…(遠い目)