歓迎できなかった2種類の虫さんたち
森のふもとに住んで2年。
ヘビさんも、ムカデさんも、アシダカグモさんも、ゴキブリさんも平気。っていうか好きまである私です。
しかし、どうしても受け入れられなかった生き物が2種類いました。
ぜひ、紹介させてください。
アメリカミズアブ(ウジ)さん
ミミズコンポストを初めて半年ぐらい経った真夏日の出来事です。
家の北側に置いていた、ミミズコンポストにアメリカミズアブさんの幼虫。いわゆるウジさんが大量発生しました。


それはそれは、ものすごい数で、初めて見たときは鳥肌がぶわ〜って立って、足がすくみました。
まぁまぁ大きなカナブンの幼虫さんぐらいのサイズのウジさんが100匹ぐらいうごめいていたんです¥。
それが原因で、しばらくミミズコンポストに近寄ることすらできませんでした。
ウジさんがシマミミズさんを食べてしまうのでは?と思いましたが、どうやら、ウジさんは生ゴミだけを食べるということで、それだけは安心しました。
あるとき、どなたかのSNSで
「うちのばあちゃんが、コンポストにウジがいると分解が早まるから優勝って言ってて草」
というような投稿を見ました。
確かに、ミミズさんの分解速度と比にならないぐらい分解が早かったです。
例えば、バナナの皮を入れると、シマミミズさんだとだいたい2週間ぐらいかかるところ、ウジさんは3日ぐらいで食べ尽くします。
まぁ、だからと言って歓迎できる気持ちにはならずに放置をしていたら、餌がなくなったのか寿命なのかわかりませんが、冬手前ぐらいには全滅されていました。
調べたら、寿命は1ヶ月〜2ヶ月。成虫になったアブには口がなく、ただ、繁殖をするためだけに成虫になるという生態を持っています。(ちょっと切ない)
今、ミミズコンポストを導入して2年目になりますが、アメリカミズアブさんの一生に同情してしまい、コンポストにまた来てくれないかなって思うまでに至りました。笑
ヤマビルさん
森に住んで1年目で、草刈りや山のなかで作業していたとき、ヤマビルさんに足を吸われ、血が止まらなくなったことがありました。
これまでの人生のなかでヤマビルに吸われるという経験がなく、新鮮な驚きでした。
本当に血が止まらないんですよ。ヒルジンという血液凝固を阻害する物質を出して、吸血を円滑にするそうです。
ほっそ〜い体のヤマビルさんは2時間ぐらいかけて、人の血管の上を探り当て、たっぷり血を吸い、ポンポンになって皮膚から剥がれます。
なので、だいたい血まみれになった靴下を見て、やられた!と気づいて周りを見渡すと、床を苦しそうに歩いていたりします。笑
最初はやだなあ〜とは思いつつ、ヤマビルさんも生きてるからなぁ。とポンポンに膨らんだヤマビルさんを山に返すほどだったのですが、当時通っていた病院の薬の副作用の「アカシジア」の症状が現れてから、なぜか異様にヤマビルさんのことが怖くなりました。
※この頃の私は、じっとしていられなくて、1日中部屋のなかを歩き続け、足がすくみ、食欲もなく、常に異様な焦燥感と吐き気と闘っていました。
この裏の山にはヤマビルさんがいる!と想像するだけで足がすくみ、「ヤマビルがいるって知ってたらこんなところに家なんて建てんかった!」なんて、ヒステリックに旦那に暴言を吐いたこともありました。
1年前に病院を変えて、アカシジアの症状が治まり、足がすくむ日々が終わりました。
それでもやっぱりヤマビルさんへの恐怖は残りました。
でも足がすくむほどではなく、吸われたとて、やられた〜ぐらいのもんです。
ディートの強いスプレーを靴に吹きかけると、それ以上上がってこれないことや、雨上がりの翌朝はヤマビルさんが活動するため、じめじめしたところの作業をしないとか、処世術も覚えました。
そして、今日、なんと2匹もヤマビルさんと遭遇しました。1年ぶりです。
おそらく、ゴミ捨て場の草取りをしたときに連れてきてしまったのだと思います。
ちなみに、ヤマビルさんは天敵がいないため、環境さえ整えば増える一方だそうです。
環境とは日の当たらないジメジメした場所。
昔は里山や山林が人間によって管理されていて、日が当たって乾いている面積が広かったので今よりは少なかったと聞きます。
歓迎しない虫さんから学ぶこと
最近こちらの本を読みました。

この本の第5章に「ヤマビルを殺す手ごたえ」という章があります。
増えたヤマビルを減らす活動をしている方々の紹介やその活動内容、それに参加された筆者の心情などが書かれています。
他にも外来種を捕殺する意味や、間引くという人間の業に対する向き合い方、捕殺するストレスに対する対応の仕方など、多岐に渡って書かれています。

ちなみに、鎌倉の禅寺、建長寺の境内には解剖学者の養老猛司先生の計画によって建立された、虫塚があります。
人間の都合で命を奪われてきた昆虫を供養するための慰霊碑です。1年に一度供養されています。
この供養自体は、人間のエゴでしかないかもしれませんが、生き物を殺めるという行為は、人にとって大きなストレスになるんだなと思いました。
私は、「庭をサンクチュアリにしたい!」という願いがあります。
が、人間の血を吸ったパンパンになったヤマビルさん(産卵をする)を山に逃すことはまだできません…。
捕殺をしてしまいます。
ヤマビルさんを捕殺する際、本当に心が痛みます。
私都合で、ただ生きていたヤマビルさんを殺めることにも心が傷むし、自分が理想としていることとやってることの矛盾にテンションが下がり、この心の置き所をどこに持っていいのかわからず、たびたび落ち込みます。
1つだけいいことがあるとするならば、特定の生き物がどうしても苦手という人の気持ちがわかるようになったことです。
特にゴキブリさんなど文字に書いたり口にするのもはばかられるほど苦手な人がいること。
今まで理解できなかったけど、今回のヤマビルさんの一件でよくわかりました。
ヒト科はどこまでも自分都合な生き物だなと思う日々です。
これも田舎に住んで分かったこと。
私のなかで何かを一区切りつけて、これから暮らしていくことを誓って記事にしました。
お付き合いありがとうございました。
ヤマビルさんのおすすめの本やグッズ
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誰も研究しないヤマビルを、研究している「子どもヤマビル研究会」のみなさんの奮闘記です!ヤマビルさんの生態を知りたい方はぜひ!
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