ダーウィン推し VS 一神教信者

実家の目の前にある畑が大好きだ。
もともと田んぼだった場所で、土もフカフカで何を植えても植物さんたちも嬉しそう。

蝶々さんやカエルさん、ヘビさんも伸び伸びと過ごしてして、私に言わせれば天国のような場所だ。

だけど、実家の畑に寄り付かなくなった一件があったので聞いて欲しい。

もくじ

ダーウィン推し VS 一神教信者

だいぶセンシティブな内容だが、聞いて欲しい。

※これは宗教団体、信者をディスる内容ではなく、お互いの思想を認め合うのは難しいよねっていう話としてお読みいただけると幸いです。

近所に住む彼女は一神教信者だ。

なぜか私は好かれている。
私もいつもニコニコほがらかな彼女が好きだ。
私が畑に現れるのを見かけては、水筒になにか酸味の効いた飲み物を持って会いにきてくれる。
中身は何なのか怖くて聞いていない。

そして神が私たちを創造したという話を30分ほど話し込んで行く。

ダーウィンの進化論信者の私にはとうてい相いれない思想だ。

でも、私はどのようなヒトでも、思想がまったくない(中庸という意味ではなく0)よりはあるヒトのほうが好きだ。
なぜなら思想のあるヒトは他人の思想を踏みこまないし尊重する人が多い気がするからだ。
と、思って生きてきたのだが、どうやらそうではないようだった。

彼女は毎回毎回、畑に入ってきては、神のすばらしさを説いて行く。

自己肯定感が爆上がりしたのも神のおかげ。
流れる雲が美しいワケも神のおかげ。
私が育てた花が美しいと感じるのも神のおかげ。

何かに感謝するって尊いよね。とうなずきながら聞いている。そして実際その通りだ。

聞いてばかりではつまらないので、私も負けじと、私は動植物のすばらしさを聞いてもらうのだが、「それもステキな考えですね。でね、神はね、」で流されてしまう。

もうこのやりとりがかれこれ半年ほど続いただろうか。

本格的な暑さが来る前に心置きなく手を止めずに畑をしたいと思っていた矢先。

ついにもう畑には行きたくないという、これはある意味「敗北」の一戦があった。

その日はチューリップの球根を掘り上げている朝だった。彼女はいつものように明るい声でいつもの酸味の効いた飲み物片手に畑に入ってきていつものように神の話を始めた。

最初はうんうん聞いていたけど、途中から球根を掘り上げながら相槌だけ打って耳を傾けていた。すると、ある宿題を出されたのだった。

お隣さん

あなたを生んでくれた両親に感謝をしてください。
それは神に感謝をすることと同じです。
きょうから1週間まず試して感想を聞かせてくださいね

わたしは思わず球根を掘る手を止めて、考えてしまった。

(ん?あれ?私の思想踏みこまれてない?)

過去には、「聖典を過去に読んだけど、私にはピンと来なかった」という話(線引き)をしたことがあったんだけど、「鬼滅ハマらんかった」ぐらいに聞き流されていたんじゃないかと思う。

ていうか、そもそも、なんでその、「私が両親に日頃感謝してない」前提なんやと。

あと、感謝って状態という認識ですよ。私のなかでは。

そして何度も言うけれど、我々を作ったのは神じゃなくて藻な。藻。
藻には絶大の敬意を表している。

で、わたしはとっさにこう言ってしまった。

わたし

わたしはダーウィン推しなんで、そのときが来たらします

今書いていても、ちょっとなに言っているのかよく分からない返答だった。

答え合わせが怖くて、あれだけ好きだった畑に、それ以来足を踏み入れられないでいる。

そして、あの酸味の効いた飲み物は何だったのかも分からないままだ。

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